1 投資家の「ポイ活」への期待と現実
投資家にとって、郵送で届く議決権行使書や優待情報の管理は、資産が増えるほどに煩雑になる「地味なストレス」です。
そんな中、三井住友信託銀行が提供する「株主パスポート」は、これらをスマホ1つで管理できる画期的なアプリとして注目されています。
特に気になるのが、アプリ内で貯まる「株主ポイント」の存在。
「議決権を行使するだけでポイントが貯まるなら、これぞ究極の不労所得では?」
そう期待して使い始めた私も、利用開始から約10ヶ月が経過しました。
今回は、資産形成している人が知っておくべき、株主パスポートの「ポイ活としての実力」を忖度なしで徹底検証します。
2 株主パスポートの基本機能:何ができるアプリ?
まずは公式が謳う主な機能を整理します。
- 議決権行使のデジタル化: 郵送されるハガキのQRコードを読み取る手間すら省き、アプリ内で一覧からスマートに行使可能。
- 保有銘柄のスケジュール管理: 配当金や優待情報の権利確定日などを簡単に確認できる。
- 「株主ポイント」の獲得: アンケート回答や特定のキャンペーン参加によりポイントが付与される。
大手信託銀行が運営している安心感と、UI(操作性)の良さは、数ある投資系アプリの中でも頭ひとつ抜けています。
3 【衝撃の収支報告】10ヶ月使って貯まった「通常ポイント」のリアル
さて、本題の「ポイ活」としての側面です。
私は2025年5月からこのアプリを使い続けていますが、現在のポイント状況を正直に公開します。
それがこちら!!

- 獲得ポイント合計: 5,089ポイント
- 内訳:
- 10万人登録キャンペーン当選:5,000ポイント
- 通常アクション(アンケート等):たったの89ポイント
運良く大型キャンペーンに当選したため、見かけ上の数字は潤っています。
しかし、ご覧ください。
日々の地道な活動で得られたのは1年弱でわずか89ポイント。
これが「現実」です。
ポイントをもらえる機会は驚くほど少なく、数ヶ月に1度アンケートが届く程度。
毎日コツコツ貯めるタイプのアプリとは根本的に仕組みが異なります。

ちなみに2026/6/30まで、保有中の銘柄の件数に応じて、
月1回、1銘柄=1ptをもらえるキャンペーンを開催しています。
4 初心者を阻む「500ポイントの壁」と有効期限
株主パスポートのポイント制度には、初心者にとって非常に高いハードルが存在します。
最低交換ラインが高い
このアプリのポイント交換は「500ポイント」から。
計算してみてください。
私の現在のペース(月平均 約9ポイント)で計算すると、キャンペーンなしで交換ラインに到達するには約55ヶ月(4年半以上)かかります。
有効期限のリスク
ポイントの有効期限は「最終獲得日から2年間」です。
定期的にアンケートが配信されれば更新されますが、もし放置してしまえば、1ポイントも交換できないまま失効するリスクすらあります。
「89ポイント」の状態では、出口戦略すら立てられません。
5 徹底検証!ポイント交換先の「真の価値」
ようやく貯めたポイントも、交換時にその「質」を問われます。
多くのポイ活アプリが「1ポイント=1円」を基準にする中、株主パスポートの交換レートはかなり独特です。
| 交換先アイテム | 必要ポイント | 実際の価値(目安) | 1ポイントあたりの価値 |
| QUOカードPay | 500ポイント | 450円分 | 0.9円 |
| 食品・グルメ系の大多数 | 4,000ポイント | 3,000円相当 | 0.75円 |
| 上腕式血圧計 | 4,900ポイント | 5,480円相当 | 約1.1円(おトク!) |
ご覧の通り、基本的には「ポイント価値が目減り」するラインナップが中心です。
しかし、稀に血圧計のように「市場価格よりおトク」な商品が紛れているのが面白いところ。
これを見極める力は、我々投資家にとっての「目利き」の訓練になるかもしれません。
6 メリットとデメリット:どんな人に向いている?
10ヶ月使い倒して見えた、このアプリの本当の価値をまとめます。
メリット
- 管理の圧倒的時短: 議決権行使のハガキをポストに出しに行く手間がゼロになる。
- UIの美しさ: 自分の保有資産が整理されているのを見るのは、モチベーション維持に繋がる。
- 宝探し感: たまに届くアンケートや、今回のような大型キャンペーンの爆発力。
デメリット
- ポイ活効率の低さ: 「稼ぐ」ことを主目的にすると、タイムパフォーマンス(タイパ)は最悪。
- 参加企業の少なさ: 全ての保有銘柄がアプリに対応しているわけではない。

私の保有銘柄の場合は、24社中4社しか対応していません…
7 結論:株主パスポートとの「正しい付き合い方」
「ポイ活アプリ」として評価するなら、現時点では「星1つ」です。
SBI証券のVポイント設定や、楽天証券の楽天ポイントなど、投資に直結する他社のポイ活と比較すると、その差は歴然です。
しかし、「投資家の事務作業を効率化するツール」として見るなら、非常に優秀なアプリです。
- 基本は「管理ツール」として導入する。
- 通知が来た時だけアンケートに答え、「数年に一度、おトクな商品がもらえたらラッキー」と割り切る。
このスタンスこそが、最もストレスなくこのアプリを活用する方法でしょう。
8 おわりに:賢い資産形成のために
アラサー・アラフォー世代にとって、最も貴重な資産は「時間」です。
「株主パスポート」のポイントに一喜一憂して時間を浪費するのは本末転倒ですが、スマートな管理で浮いた時間を、次の投資戦略を練る時間に充てる。
そんな使い方ができれば、このアプリはあなたの資産形成を支える強力な味方になるはずです。

