「投資なんて怪しい」「損をするのが怖い」
結婚当初、私の夫は典型的な投資否定派でした。
私自身は資産形成に興味がありましたが、夫に不快な思いをさせたくなかったので「家計での投資はしない」と決め、波風を立てずに過ごしてきました。
しかし、結婚4年目。
あんなに頑なだった夫が、ついに自ら投資に対して前向きになり、家計で投資を始めることができたのです。
無理に説得しようとしなかったからこそ辿り着いた、我が家の変化のプロセスをお話しします。
1.なぜ夫は「投資嫌い」だったのか?
夫が投資に懐疑的になったのには、ある「苦い経験」がありました。
以前、保険会社に勤める友人の勧めで一般的な保険に加入した際、その友人経由で不動産投資をしている人を紹介され、話を聞かされたことがあったそうです。
その時、夫は「これはカモにされているな」と直感的に感じ、話は断りました。

時間的にも精神的にも疲弊したらしく、
当時のことは未だにあまり語りたくないそうです…
それ以来、夫の中で「投資=自分たちを騙そうとする怪しい勧誘」という図式ができあがってしまいました。
私が自分の資産で投資をすることには「自分のお金なんだから自由にすればいい」と寛容でしたが、家計のこととなると「絶対に手を出したくない」というスタンス。
この「否定はしないけれど、自分は関わらない」という距離感からのスタートでした。
2.転機となった4つの出来事
今振り返ると、日常の何気ないやり取りが、少しずつ夫の心の壁を溶かしていったようです。
これらは「説得するための作戦」ではなく、あくまで私の日常の延長線上での出来事でした。
① 「1分だけ聞いて」と始めた株の雑談
私はもともと、自分が興味のあることは誰かに話したくなるタイプ。
夫が投資に興味を持つように……なんて下心は一切なく、ただの「今日の出来事」として個別株の話をよくしていました。
「興味ないだろうけど1分だけ聞いて!相槌だけでいいから!!」と断って、自分の好きな銘柄の話を一方的にする毎日。
するとある日、夫から驚きの言葉が返ってきました。
「ニュースで日本製鉄がUSスチールを買収したってやってたけど、君が以前話してたのってこの会社だよね?株持ってるんだっけ?」
夫いわく、「普通なら遠い国、遠い企業の『自分には関係ない話』で終わるニュースだけど、身近な人が株を持っていると聞くと、急に自分事みたいに感じる」とのこと。
投資が「怪しいもの」から「社会の動き」へと変わった瞬間でした。

私の話、ちゃんと聞いててくれたのね…と嬉しかったことは内緒です(笑)
② 配当金で「美味しいもの」を食べた
私は基本的にケチなので、普段から些細なプレゼントを贈り合うようなタイプではありません。
ただ、投資で得た配当金については「25%は家族や自分のために使う」という自分ルールを設けています。
「配当金が入ったから、今日はご馳走するよ!美味しいものを食べに行こう」
そうやって、時々家族で贅沢をしました。
夫は、私の生活が投資によって確実に潤っている様子を横で見続けていました。
言葉でメリットを説くよりも、「美味しい食事」という実体験を通して、投資の恩恵を肌で感じてくれたようです。
25%を使う理由についての記事はこちら↓
配当金の使い道はどうする?25%をあえて「使う」3つの理由と出口戦略 | 5年後に退職したい主婦 サイドFIREを目指す新NISA活用資産形成ブログ
③ FP相談での「5年後」のシミュレーション
本格的に夫の心が動いたのは、FP(ファイナンシャルプランナー)さんへの家計相談でした。
「5年後に退職する前提」で相談した際、プロの視点から投資の必要性に言及があったのです。
「家計の貯金に余裕があるので、毎月5万円をS&P500やオルカン(全世界株式)に回してみては。それを老後資金や教育資金に充てられます」
このアドバイスを聞いた夫は、「プロがそう言うなら、やってみる価値があるかも」と、一気に自分の中の許可が下りたようでした。
J-FLECを使ってFPへ8割引きで相談したときの記事はこちら↓
金融庁設立のJ-FLECとは?中立なFP相談が今なら8割引!5年後の退職準備をプロに頼んでみた | 5年後に退職したい主婦 サイドFIREを目指す新NISA活用資産形成ブログ
④ 「トランプショック」の経験がトドメに
最後の一押しは、私の実際の実績を見せたことでした。
私は少額ですが、トランプショックの暴落時にS&P500とオルカンを仕込んでいました。
この時は20%程度の利益があったのですが、その運用状況を見せながら、「短期ではこうやって損をすることもあるけれど、長期で見ればこれだけのリターンがあるよ」と説明。
投資シミュレーションで何度もシュミレーションを行い、チャートを見せながら暴落のリスクについても包み隠さず話しました。
「良い時も悪い時もある」という事実を数字で示したことで、夫は納得してくれました。
3.夫も納得した「S&P500」と「オルカン」の正体
ここで、投資に馴染みがなかった夫が最終的に受け入れた、2つの主要な投資先について簡単に触れておきます。
- S&P500(アメリカの選抜チーム) アメリカを代表する主要企業500社の株を詰め合わせたパックです。AppleやAmazonなど、私たちが日常的に使っている超有名企業が網羅されています。
- オルカン(世界中のオールスター) 「オール・カントリー」の略で、日本を含む先進国から新興国まで、文字通り「全世界」の企業に分散投資するパックです。
投資には「暴落」がつきものですが、これら2つの指数は、過去10年、20年という長い目で見れば右肩上がりを続けています。
「短期のマイナスに一喜一憂せず、長く持ち続けることで着実な資産形成を目指せる」
このデータの裏付けがあったからこそ、慎重派の夫も一歩を踏み出すことができました。
まとめ:焦らず「ザイアンス効果」を待つ
夫を投資に誘うのに、特別な労力は必要ありませんでした。
もし最初から「説得してやろう」と意気込んで、短期間で無理に動かそうとしていたら、きっと今でも夫は拒絶反応を示していたと思います。
夫は今では、不動産投資=最初から借金を背負う状態と、株式投資=余剰資金で行うもの、という式に気づき、苦しい思いをすることなく投資を行えていると教えてくれました。
心理学には「ザイアンス効果(単純接触効果)」という言葉があります。
興味がなかったり苦手だったりするものでも、何度も目にしたり耳にしたりするうちに、次第に親近感が高まっていくという現象です。
パートナーに投資を理解してほしいなら、まずは「短く、何気ない、自分が楽しい雑談」から始めてみてはいかがでしょうか。
「今日の株価はこうだったよ」「このランチ、実は配当金なんだ」 そんな小さな会話の積み重ねが、いつか相手の「自分事」に変わる日が来るかもしれません。

