優待が魅力的でも「私が買わない株」と、大減配でも「応援したい株」の境界線

「優待が豪華」「配当利回りが高い」――。

 株主優待や高配当株をメインに投資していると、そんな魅力的な言葉に心が動く瞬間が多々あります。

 しかし、5年後の退職(サイドFIRE)を目指して資産形成に励む私にとって、最も大切なのは「目先の利益」ではなく「長期的な安心感」と「投資対象への納得感」です。

今回は、条件が良くてもあえて「買わない」と決めた3つの銘柄と、逆に大きなマイナスを出しながらも「持ち続けたい」と思える企業の共通点について、私なりの独自の視点でお話しします。

※注釈:本記事の内容は、あくまで筆者個人の投資判断や価値観に基づくものです。

紹介した企業のビジネスモデルやサービスを否定する意図は一切ありません。

投資の評価軸は人それぞれであり、一つの視点として参考にしていただければ幸いです。

1.バロックジャパンリミテッド:配当性向が「ギャンブル」に見えてしまう理由

 バロックジャパンリミテッド(3548)は、アパレルブランドを展開し、非常に魅力的な株主優待と配当を提供している企業として有名です。

 しかし、私はこの銘柄をポートフォリオに入れることはありません。

 最大の理由は、「配当性向」の高さ(不安定さ)です。

配当性向とは、その期の純利益の中からどれだけ配当金を出しているかを示す指標ですが、ここが極端に高い状態は、無理をして株主を繋ぎ止めているようにも見えます。

 私にとって投資は「倒産しない、長く続く会社」を選ぶことが大前提。

配当が魅力的であればあるほど、それが企業の体力を削っているのではないか、いつか「優待改悪」や「無配」という爆弾が爆発するのではないかと怖くなってしまうのです。

2.トリドール:従業員を大切にしない企業は応援できない

 次に、丸亀製麺で知られるトリドールホールディングス(3397)です。

こちらの優待券は非常に魅力的ですし、丸亀製麵等の店舗に行けばいつも賑わっています。

しかし、投資を検討する際にどうしても無視できなかったのが、現場の労働環境に関するニュースや評判です。

「丸亀製麺」の現場の過酷さは、しばしばメディアでも取り沙汰されます。

私は、「人を大事にしない企業」を心の底から応援することは難しいいと考えています。

従業員を疲弊させて生み出した利益に相乗りして、自分だけが優待を楽しむ……。

そう思うと、どうしてもその企業を「応援したい」という気持ちが湧いてきませんでした。

最近は、現場にやさしくなってきたという声も聞きます。

誰かが必要以上に摩耗する会社でなくなった時には、応援したいと思っています!

3.FPパートナーズ:現場のプロの言葉とAI時代の予兆

 FPパートナーズ(7388)についても、優待や配当は非常に好条件でした。

しかし、以前私自身がFP(ファイナンシャルプランナー)さんにお世話になった際、思い切ってこう聞いてみたことがあります。

「この業界や御社は、今後発展しそうですか?」

返ってきた答えは意外なものでした。

「AIに仕事を取られているので、発展する未来は見えない。私ならここの株は買わない」と。

業界の最前線にいるプロが、自らの職業の将来性を危惧し、自社株を勧めない。

この「一次情報」の重みは、どんな決算資料よりも説得力がありました

 また、私自身も最近では家計相談やシミュレーションにAIを活用しています。

 以前よりも「人(FP)」に直接相談したいと思う機会が減っていることを肌で感じており、自分の生活実感と合わない銘柄には手を出さない、という自分ルールを再確認しました。

4.商船三井:大減配でも私が「迎合」する、本当の理由

 一方で、大きく数字を落としながらも、私がポジティブに保有し続けているのが商船三井(9104)です。

同社は大幅な減配を発表し、株価もマイナスを叩き出しました。

普通なら「売り」のサインかもしれませんが、私はむしろ今の姿勢を支持しています。

 その理由は、商船三井が「働きがいのある企業ランキング」で1位になったことにあります。

このランキングは、単に「楽に働ける」ということではなく、以下の8つのシビアな項目で評価されています。

【働きがいを構成する8項目】 待遇面の満足度 / 社員の士気 / 風通しの良さ / 社員の相互尊重 / 20代成長環境 / 人材の長期育成 / 法令順守意識 / 人事評価の適正感

これらが日本でトップクラスということは、働く人にとってこれ以上ない環境だということです。

もし私が働きに行くなら、間違いなく真っ先に候補に入れたい「理想の職場」です。

「働きがい」こそが、長期的な利益の源泉

 企業が従業員を大切にすることは、短期的には人件費や福利厚生費といった「コスト」に見えるかもしれません。

しかし、自分の会社が好きであればあるほど、社員は「この会社のために頑張りたい」と思い、離職者も少なくなります

 そうすれば、安定した人材が育ち、企業の知見や技術力は年々強固なものになります

巡り巡って、それが「企業の稼ぐ力」を強め、最終的には株主還元として返ってくる。

私は商船三井のランキングの結果を、未来のための「人材投資」と捉えて応援しています。

エリオット・インベストメント・マネジメントのニュースもありましたし、

株主還元が長期に渡り増えることを期待して待ちます!

まとめ:投資は「自分の価値観」を反映する投票

 投資は自由です。

数字だけを追い求めて効率を重視するのも一つの正解でしょう。

しかし、サイドFIREを目指す長い道のりにおいて、自分の価値観に合わない企業を保有し続けることは、精神的な負担になります。

  • 企業の体力を無視した高還元ではないか?
  • 従業員や現場を犠牲にしていないか?
  • 現場のプロが自信を持って勧められるか?

 こうした「自分なりの物差し」を持つことで、市場のノイズに振り回されない、自分らしい資産形成ができるようになると信じています。

皆さんは、どんな基準で「買う株・買わない株」を決めていますか?

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